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ペンと透明水彩で描いた自作の紹介やアート観賞のレビューなど。
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週末はスケッチ仲間との忘年会。
レストランを貸し切って、にぎやかなパーティでした。

その中で、「描き続けること」に話が及びました。
ある方が、「最近描きたい気持ちが続かない」と言えば、
「なぜ描いているのか分からなくなる」と言う方もいます。
そして、描くこと自体をやめてしまう方もいます。

絵を描き始めた最初は、描くこと自体が楽しくて、
絵が上手くなること、技術的に上達することが目標となることが多いです。
それは目に見えやすいので、達成していくとまたがんばろうと思えます。

でも、何年も描いていると、ただ上手いだけでは
自分も周りも満足できなくなってくる。
「絵が上手い人」っていくらでもいるんです。

それで、描き続けてどうするんだろう?
大してお金にもならないし、いや、むしろ画材やスケッチ旅行に
お金をかけて、無駄なことをしているんじゃないか?
そんな風に思えてくるものです。
私自身もそう思ってしまうことがあります。

だからと言って仕事ならいいのか?
というと、そうでもないのがまた問題。

こんな私でもたまーに絵を描いてほしいと頼まれたりするのですが、
他人から与えられたテーマで描きたい気持ちを盛り上げるのは
難しいものです。
こんなわがままを言うのは私だけかと思ったら、
周りの多くのスケッチ仲間が同じことを言います。


******************
夏に個展を行ったカフェのオーナーから、

「絵を描く意味とか、将来どうするんだろうとか、
あんまり考えないほうがいいんじゃない。
芸術に触れて、心が動く。
そのこと自体が重要で価値があるんじゃない。」

と言われました。

長年バンドをやっていたそうで、
同じように音楽を続ける意味を問う仲間がいたそうです。

その言葉を聞いてからしばらくして、
私にとって描くことは、「ライフワーク」なんだなと思い至ったのです。

辞書をひくと、ライフワークとは、
一生をかけてする仕事。畢生(ひっせい)の事業。
また、個人の記念碑的な業績とみなされるような作品や研究。


そこまで輝かしい業績なんかは残せないかもしれないけれど、
一生やっていくんだなという感じ。
くされ縁というか、逆らえない自然の流れというか、そんな風にも感じます。

描く気がせず、しばらくお休みしてしまう時もあるかもしれない。
描いても納得できる作品にならないこともあるかもしれない。
また、仕事や家庭の事情などで時間が取れない時期もあるでしょう。

でも、ライフワークだとすれば、そういう時期も通過点として、
とにかく続けていくんだ、と思えるようになりました。

絵に限らず、何かを続けていくことって案外難しいことだと思います。
長い目で見て、時には休みながら、あまり考えすぎず、
マイペースに続けていくことが大事なのではないかなと
最近感じている私です。


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この秋の野外スケッチの課題は、
5人以上の動く人物を入れた風景。

動く人を描くのは、本当に難しい。
形をとらえる、という意味では
最難関モチーフではないかと思います。

なので、11月の新宿御苑でのスケッチは、
カメラも使いつつスケッチしてきました。
デジカメで現場で人物の動きを確認しながら
描けるのはこの時代だからこその方法ですね。



カメラを使うのは時にタブー視されますが、
個人的には道具は使いようではないかとも思います。
ドガなどの画家や、ノーマン・ロックウェルなどの
著名なイラストレーターも写真を使ったそうですが、
魅力的な作品を残しています。


スケッチ当日は肌寒い日でしたが、親子連れが多く、
子供たちが駆け回って遊んでいました。
できるだけ動きを殺さないように、
写真を確認しながら、線にスピードをつけて
動く人物をなんとかとらえ、秋の柔らかい
日差しがあたるようなイメージで仕上げました。


(ランドスケープ G6)

講評会では舞台設定や人物の選び方がよいという評価!
仲間の作品では、人物が何をしているのか、
どんなストーリーが込められているのか、
そんな空気感が伝わる絵が評価が高かったように思います。

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11月も後半にさしかかり、
街はすっかりクリスマスモードですね。
夏からカードを販売いただいているパディーズさんに、
クリスマスカードを届けて来ました。

クリスマスモチーフは線スケッチを始めた当初、
教室で小物を描いたくらい。
カード作成にあたって、どうしよう・・・と考え、
クリスマスといえばサンタクロースでしょう!と、
靴下を編むサンタさんを描いてみました。


(モンバルキャンソン F1)

普段は目の前の風景や人物を描くことがほとんど。
さすがにサンタクロースを目の前にすることは
できないため、雑誌やネットを参照し、
いろいろな写真を素材にして、
想像力を働かせながら描きました。
古い、アンティークな雰囲気を出せたらと、
色は全体にセピア調にし、赤と緑をポイントに。

こちらはカードデザイン風に遊んでみました。
靴下を、編んで(Knitting)、吊るして(Hanging)、
プレゼントで笑顔(Smiling)というわけです。


(モンバルキャンソン F1)

私自身は編み物をしないのですが、
今回は編み物モチーフに惹かれました。
何かと忙しい年末、こんなふうに編み物を
しながらクリスマスを待つゆとりの時間を
持てたらなという願望ゆえでしょうか。

両方とも、ポストカードと、ポストカードの
二つ折サイズのミニカードを用意しています。
ポストカードは158円、ミニカードは210円です。

パディーズさんは、
にぎやかなクリスマスの小物がいっぱいでした。
お近くに行かれた際は、ぜひのぞいてみてください。

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芸術の秋到来で、美術展が目白押しですね。国立新美術館で行われているアメリカンポップアート展が来週月曜日、10月21日までだということに気がついて、今日あわてて行って来ました。

現代美術はそんなに得意ではない領域です。ただ、スケッチ仲間から長いこと借りている(2年くらい・・・)村上隆氏の「芸術起業論」「芸術闘争論」を今読んでいるところなのです。その中で現代美術の解説がいろいろ書かれており、本展覧会のアーティストも登場するため、この機会に観ておこうと思っていました。


ポップアートのポスターと黒川建築が不思議にマッチ

村上隆氏によると、現代美術を「好き嫌いで観てはならない」そうです。好き嫌いを基準にすると、分かりやすいものに流れてしまうからとのこと。
ではどうやって観たらよいのか?観賞のポイントは、
  1. 構図
  2. 圧力
  3. コンテクスト
  4. 個性
わかりやすいのは構図。これは一般(といっていいのかわかりませんが)の絵画と同じで、視線の流れとか、回遊とか。

個性もまあわかりやすいですね。村上氏としては日本美術界が「自由」を強調しすぎて、逆に「個性」が育たないことにものすごく危機感を抱いているようです。

圧力は、うまく理解できていないように思うのですが、作家もしくはその流派のアートや作品との向き合い方。粘着質さ、真剣さみたいなもの。

そして、とりわけ強調されていたのはコンテクスト。文脈とか背景とかいう意味の ”context” だと思うのですが、村上氏の解説によると、現代美術作品では、美術史上の遺産やルールに則ったり、逆にそれらをちゃかしたり、新たなルールや解釈が提示されたりしている。優れた作品の場合はそれが幾層にも重なっているらしい。ただただ自由にやればいいというわけではなく、これまでの歴史に対する深い理解があった上での提示でなければならない。それを観る側も理解して、なるほど!と思えるかどうかがポイントになるそうです。


トム・ウェッセリマン作品のポスター
女性のポーズもバックのルノワール絵画も美術史のコンテクストが反映されていると考えられます


で、これらのポイントを踏まえて観に行ってみたのですが・・・うーん。。。どうしても感覚的に「なんとなく好きかどうか」観てしまいますね・・・。勉強不足でコンテクストを充分理解できないせいでしょうか。

そんな中でも、やっぱりウォーホルはものすごくパワーがあると思いました。大量生産・大量消費社会への変化をテーマとしており、時代のパワーみたいなものが作品に出ているような気がしました。自身も「私は機械になりたい」と言っていたそうです。

リキテンスタインはアメリカンコミックそのもの。これを観ると、村上氏の言うように、日本のアニメやマンガもアートとして昇華させられる可能性を強く感じます。


リキテンスタインのポスターが重なって見えるポイント

線スケッチャーとしては、ソフト・スカルプチャー(柔らかい彫刻)のクレス・オルデンバーグの展示が結構楽しめました。習作のスケッチやドローイングの線に力と味があって、それが立体物になっていくのが間近に観られたので。・・・ってやっぱりスケッチやドローイングを楽しんでしまいます。

それから、ジャスパー・ジョーンズの油彩にアルファベットのスタンプを押した作品(確か「白いアルファベット」)は文字の無垢な感じが伝わってきて、シンプルで印象的でした。

また、様々なアーティストたちが今回のコレクションの所有者であるパワーズ夫妻に贈った小さな作品、誕生日やバレンタインのカード、メモ書きなどもよかった。パーソナルな気持ちがこもっている感じがして。

・・・というわけで、最後には村上氏の観賞のポイントは忘れて観ていました。しかし、その後キミコ・パワーズさんのインタビュー記事で作品選びの方針は「その絵が好きかどうか、だけでした」(サライ 2013年8月号)とのコメントを見て、ちょっと安心しました。


今回の展覧会で驚いたのは、若い人、それも20代と思われるようなカップルが多かったこと!先週のカイユボット展は40代〜60代くらいがメインの客層だったのとは対照的でした。

展覧会グッズも面白い。ガチャガチャ形式のキーホルーダーや、キャンベルスープ缶の本物が販売されていました。キャンベルスープ、買っている人を結構見かけたのですが、おいしくなさそう・・・。いや、オブジェとして飾るのかな。

そして、ウォーホルの作品となったキャンベルスープ200缶の本物がミュージアムショップに展示されていました。でも、ウォーホルの作品を見た後だと、本物のほうがつまらないし、パワーも感じられない。改めてウォーホル作品の偉大さを感じ、美術館を後にしました。

写真撮影可でしたので、列に並んで撮っている人が多かったです

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今回のスケッチ教室のテーマは「人物」。
ということで、スポーツ選手の写真からムービングクロッキーをかきました。

クロッキー帳を見せるのって完成作品を見せるよりもなんだか緊張します。素の自分、あるいは自分の裏側や内面をみられているような気がするから。師匠いわく、「人物素描は素の画力が出る。教室などで横並びにすると、個性や力の差が明確に出る」とのこと。やっぱり!

私が選んだのはオリンピックシーズン到来のフィギュアスケーター。身体の線が分かりやすく、動きが派手で、何よりも美しいので描きがいがあります。

前回のバンクーバー五輪の前後に買ってあったスポーツ雑誌「Number」から写真を選定。写真は、全身が入っているものを選ぶことがポイントです。なかなか全身の入っている大きい写真はないので、図書館で探してそのページだけコピーを撮ったり、画像検索をしたりしているスケッチ仲間も多かったです。

私は人物が得意というわけではないのですが、だからこそ写真でもモデルでもクロッキーで一番気をつけているのは、全身のバランス、特に「腰」が入るようにすること。頭に対する肩、腰、足の位置を注意深くとります。グリッド線をひく描き方もありますが、写し取る感じになってしまい、人物の動きや流れをつかみづらいように思います。

全身のバランスがとれたら、人物の雰囲気や動きを出せるように肉付けします。この点で著名人を描くのはよい練習になるそう。顔はもちろんですが、姿勢や動きに出る「その人らしさ」を捉えられているかを判断しやすいからだそうです。



 

安藤美樹選手。「レクイエム」の時の写真です。
身体をひねる動きが多いプログラムでしたが、このひねっている感じを出すのが難しい。

師匠から、動きが感じられてよいが、奥の腕が不自然に見える、という指摘を受けました。写真通りだったとしても、角度の関係などで不自然に見える場合は、多少違っても説得力を持たせてアレンジして描くべきだと言われましたが・・・そんな高度なことをするには、身体の構造などをもっとよく知る必要がありそうです。

次も安藤美樹選手。
「雰囲気を出す」という点で自分では結構気に入っているのですが、決めポーズのためか動きはあまり感じられませんね。




鈴木明子選手。
片足が切れている写真しかなかったです。うーん、雰囲気をつかみきれていない。




キムヨナ選手の「007」
手足が長いので、バランスが難しい。




頭の位置に対して、腰の位置はかなり左にあり、位置を把握するのに何度か描き直しました。描き直していくにつれて、だんだんとスピード感が失われてしまいます。クロッキーでも水彩作品でも、完成度をあげつつスピード感やライブ感を保つのは、至難の技です。




ここまで読み返してみると「難しい」とばかり言っていますが・・・やってみると意外と楽しい!今度は男性のスケーターも描いてみたいです。




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自己紹介:
『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』に感銘し、こんな風に楽しく描いてみたい!とペンを取りました。以来、仕事の合間を縫って絵を描く日々を送っています。

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