忍者ブログ
ペンと透明水彩で描いた自作の紹介やアート観賞のレビューなど。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

久しぶりに美術展へ行って来ました。

ひとつは「モダン・アート アメリカン -珠玉のフィリップス・コレクション」。ずっと観たいと思っていたのですが、なんだかんだと先延ばしにしているうちに、最終日。仕事がたまたま空いたので、駆け込み閲覧です。

アメリカのアーティストたちが、主にフランス絵画の影響を受けながら、レアリズムから、印象派、抽象主義へと、自分たちのスタイルを模索していく歴史を追うことができます。

展覧会では絵自体よりも、女性画家のジョージア・オキーフの言葉に打たれました。
「リアリズムほどリアルでないものはない。選択、除去および強調によってのみ、我々は物事の真のリアルな意味に到達できるのだ」

efdfefa2.jpeg

















そんな彼女の作品は、画面いっぱいに拡大して描かれた葉。目の前に立つと、大胆な構図に、流れるような曲線と、濃いエンジと淡いグレーのコントラストに包み込まれるようです。器が大きくて、どこか「母」を思い起こさせます。

そしてもうひとつ、千駄ヶ谷の佐藤美術館で行われている「神戸智行展 イノセントワールド」。こちらも最終日に、近くに行ったついでに何となく寄ってみたのですが、とてもよかった。木、葉、石、虫、ヤモリ、金魚など、自然を描いたものが多く、和紙を効果的に使ったやさしい世界。決して強い主張のある作品ではないけれど、静かな迫力がある。こういう主張のさせ方ってとても難しい。

幸運なことに、ご本人にも遭遇し、少しお話することができました。現実の風景や現実のモチーフをスケッチして、そこからイメージを膨らませて、何枚も構図をとって描くのだそうです。


kanbe_kinbyobu.jpg









kanbe_kingyo.jpg















帰り途、ジョージア・オキーフの言葉を思い出していました。「選択、除去、強調」。私は、その過程を経た神戸氏の作品に、自然のやさしさを感じ、オキーフの作品には、包み込むような器の大きさを感じたのですね。

そして、恐れ多いことですが、オキーフの言う「選択、除去、強調」とは、私自身が三十六景展を通して考えたことと、たぶん近いのです。絵を描くことは「変換」なんじゃないかなと、「変換」のあり方が「個性」なんじゃないかなと思います。見たものをそのまま描くのではなく、そこに描き手の主観が入り、現実からいかに「変換」しているのかを観る方は楽しんだり、共感したりしてくださるのではないでしょうか。

現場で実物と対峙して描いていくと、現実にひっぱられすぎてしまうことがあります。実物の持つパワーって強いですから。見たままを、ただただそのまま描いてしまう。着彩でも、つい現実の色を塗ってしまう。そうして現実にひっぱられすぎると、私の場合、たいていちょっとつまらない絵ができあがってしまうのです。
「あなたはどんな『変換』を表現したいの?」
そんな風に問われているような気がした美術展めぐりでした。

 
【お願い】コメントの際は、パスワードに「コメント」とご入力ください。(スパム対策です。)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
展覧会の感想、興味深く拝読しました。
私も、モダーンアート・アメリカンに駆け込みで行きました。オキーフの言葉は残念ながら見逃しました。ワイエスとならんで好きな米国の作家です。
また、日本画家の神戸智行さんの絵は、すばらしいですね。存じ上げていなかったので、この記事で知ることができました。ありがとうございます。
えいいち 2011/12/22(Thu)17:29 編集
えいいちさんへ
オキーフの言葉は音声ガイドの中にありました。今回は知らない作家が多かったので、ちょっぴり贅沢してみたのでした。
神戸氏は私も全然知りませんでした。絵が大きいので、実物はかなり迫力があります。もっと早くお知らせできたらよかったですね。。
Chinatsu 2011/12/23 13:00
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[33]  [32]  [31]  [30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [24]  [25]  [23
プロフィール
HN:
Chinatsu
性別:
女性
自己紹介:
『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』に感銘し、こんな風に楽しく描いてみたい!とペンを取りました。以来、仕事の合間を縫って絵を描く日々を送っています。

カレンダー
08 2017/09 10
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
カウンター
バーコード
tool
Admin / Write
忍者ブログ [PR]