ペンと透明水彩で描いた自作の紹介やアート観賞のレビューなど。
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芸術の秋到来で、美術展が目白押しですね。国立新美術館で行われているアメリカンポップアート展が来週月曜日、10月21日までだということに気がついて、今日あわてて行って来ました。
現代美術はそんなに得意ではない領域です。ただ、スケッチ仲間から長いこと借りている(2年くらい・・・)村上隆氏の「芸術起業論」と「芸術闘争論」を今読んでいるところなのです。その中で現代美術の解説がいろいろ書かれており、本展覧会のアーティストも登場するため、この機会に観ておこうと思っていました。
ポップアートのポスターと黒川建築が不思議にマッチ
村上隆氏によると、現代美術を「好き嫌いで観てはならない」そうです。好き嫌いを基準にすると、分かりやすいものに流れてしまうからとのこと。
ではどうやって観たらよいのか?観賞のポイントは、
個性もまあわかりやすいですね。村上氏としては日本美術界が「自由」を強調しすぎて、逆に「個性」が育たないことにものすごく危機感を抱いているようです。
圧力は、うまく理解できていないように思うのですが、作家もしくはその流派のアートや作品との向き合い方。粘着質さ、真剣さみたいなもの。
そして、とりわけ強調されていたのはコンテクスト。文脈とか背景とかいう意味の ”context” だと思うのですが、村上氏の解説によると、現代美術作品では、美術史上の遺産やルールに則ったり、逆にそれらをちゃかしたり、新たなルールや解釈が提示されたりしている。優れた作品の場合はそれが幾層にも重なっているらしい。ただただ自由にやればいいというわけではなく、これまでの歴史に対する深い理解があった上での提示でなければならない。それを観る側も理解して、なるほど!と思えるかどうかがポイントになるそうです。
トム・ウェッセリマン作品のポスター
女性のポーズもバックのルノワール絵画も美術史のコンテクストが反映されていると考えられます
で、これらのポイントを踏まえて観に行ってみたのですが・・・うーん。。。どうしても感覚的に「なんとなく好きかどうか」観てしまいますね・・・。勉強不足でコンテクストを充分理解できないせいでしょうか。
そんな中でも、やっぱりウォーホルはものすごくパワーがあると思いました。大量生産・大量消費社会への変化をテーマとしており、時代のパワーみたいなものが作品に出ているような気がしました。自身も「私は機械になりたい」と言っていたそうです。
リキテンスタインはアメリカンコミックそのもの。これを観ると、村上氏の言うように、日本のアニメやマンガもアートとして昇華させられる可能性を強く感じます。
リキテンスタインのポスターが重なって見えるポイント
線スケッチャーとしては、ソフト・スカルプチャー(柔らかい彫刻)のクレス・オルデンバーグの展示が結構楽しめました。習作のスケッチやドローイングの線に力と味があって、それが立体物になっていくのが間近に観られたので。・・・ってやっぱりスケッチやドローイングを楽しんでしまいます。
それから、ジャスパー・ジョーンズの油彩にアルファベットのスタンプを押した作品(確か「白いアルファベット」)は文字の無垢な感じが伝わってきて、シンプルで印象的でした。
また、様々なアーティストたちが今回のコレクションの所有者であるパワーズ夫妻に贈った小さな作品、誕生日やバレンタインのカード、メモ書きなどもよかった。パーソナルな気持ちがこもっている感じがして。
・・・というわけで、最後には村上氏の観賞のポイントは忘れて観ていました。しかし、その後キミコ・パワーズさんのインタビュー記事で作品選びの方針は「その絵が好きかどうか、だけでした」(サライ 2013年8月号)とのコメントを見て、ちょっと安心しました。
今回の展覧会で驚いたのは、若い人、それも20代と思われるようなカップルが多かったこと!先週のカイユボット展は40代〜60代くらいがメインの客層だったのとは対照的でした。
展覧会グッズも面白い。ガチャガチャ形式のキーホルーダーや、キャンベルスープ缶の本物が販売されていました。キャンベルスープ、買っている人を結構見かけたのですが、おいしくなさそう・・・。いや、オブジェとして飾るのかな。
そして、ウォーホルの作品となったキャンベルスープ200缶の本物がミュージアムショップに展示されていました。でも、ウォーホルの作品を見た後だと、本物のほうがつまらないし、パワーも感じられない。改めてウォーホル作品の偉大さを感じ、美術館を後にしました。
現代美術はそんなに得意ではない領域です。ただ、スケッチ仲間から長いこと借りている(2年くらい・・・)村上隆氏の「芸術起業論」と「芸術闘争論」を今読んでいるところなのです。その中で現代美術の解説がいろいろ書かれており、本展覧会のアーティストも登場するため、この機会に観ておこうと思っていました。
ポップアートのポスターと黒川建築が不思議にマッチ
村上隆氏によると、現代美術を「好き嫌いで観てはならない」そうです。好き嫌いを基準にすると、分かりやすいものに流れてしまうからとのこと。
ではどうやって観たらよいのか?観賞のポイントは、
- 構図
- 圧力
- コンテクスト
- 個性
個性もまあわかりやすいですね。村上氏としては日本美術界が「自由」を強調しすぎて、逆に「個性」が育たないことにものすごく危機感を抱いているようです。
圧力は、うまく理解できていないように思うのですが、作家もしくはその流派のアートや作品との向き合い方。粘着質さ、真剣さみたいなもの。
そして、とりわけ強調されていたのはコンテクスト。文脈とか背景とかいう意味の ”context” だと思うのですが、村上氏の解説によると、現代美術作品では、美術史上の遺産やルールに則ったり、逆にそれらをちゃかしたり、新たなルールや解釈が提示されたりしている。優れた作品の場合はそれが幾層にも重なっているらしい。ただただ自由にやればいいというわけではなく、これまでの歴史に対する深い理解があった上での提示でなければならない。それを観る側も理解して、なるほど!と思えるかどうかがポイントになるそうです。
トム・ウェッセリマン作品のポスター
女性のポーズもバックのルノワール絵画も美術史のコンテクストが反映されていると考えられます
で、これらのポイントを踏まえて観に行ってみたのですが・・・うーん。。。どうしても感覚的に「なんとなく好きかどうか」観てしまいますね・・・。勉強不足でコンテクストを充分理解できないせいでしょうか。
そんな中でも、やっぱりウォーホルはものすごくパワーがあると思いました。大量生産・大量消費社会への変化をテーマとしており、時代のパワーみたいなものが作品に出ているような気がしました。自身も「私は機械になりたい」と言っていたそうです。
リキテンスタインはアメリカンコミックそのもの。これを観ると、村上氏の言うように、日本のアニメやマンガもアートとして昇華させられる可能性を強く感じます。
リキテンスタインのポスターが重なって見えるポイント
線スケッチャーとしては、ソフト・スカルプチャー(柔らかい彫刻)のクレス・オルデンバーグの展示が結構楽しめました。習作のスケッチやドローイングの線に力と味があって、それが立体物になっていくのが間近に観られたので。・・・ってやっぱりスケッチやドローイングを楽しんでしまいます。
それから、ジャスパー・ジョーンズの油彩にアルファベットのスタンプを押した作品(確か「白いアルファベット」)は文字の無垢な感じが伝わってきて、シンプルで印象的でした。
また、様々なアーティストたちが今回のコレクションの所有者であるパワーズ夫妻に贈った小さな作品、誕生日やバレンタインのカード、メモ書きなどもよかった。パーソナルな気持ちがこもっている感じがして。
・・・というわけで、最後には村上氏の観賞のポイントは忘れて観ていました。しかし、その後キミコ・パワーズさんのインタビュー記事で作品選びの方針は「その絵が好きかどうか、だけでした」(サライ 2013年8月号)とのコメントを見て、ちょっと安心しました。
今回の展覧会で驚いたのは、若い人、それも20代と思われるようなカップルが多かったこと!先週のカイユボット展は40代〜60代くらいがメインの客層だったのとは対照的でした。
展覧会グッズも面白い。ガチャガチャ形式のキーホルーダーや、キャンベルスープ缶の本物が販売されていました。キャンベルスープ、買っている人を結構見かけたのですが、おいしくなさそう・・・。いや、オブジェとして飾るのかな。
そして、ウォーホルの作品となったキャンベルスープ200缶の本物がミュージアムショップに展示されていました。でも、ウォーホルの作品を見た後だと、本物のほうがつまらないし、パワーも感じられない。改めてウォーホル作品の偉大さを感じ、美術館を後にしました。
写真撮影可でしたので、列に並んで撮っている人が多かったです
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