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ペンと透明水彩で描いた自作の紹介やアート観賞のレビューなど。
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東日本大震災が起きた翌々日のスケッチクラスでは、今年最初の野外スケッチが行われるはずでした。中止となり、代わりのクラスで自画像を描きました。昨日はその講評会でした。

「こんな時だからこそ、自分を見つめましょう」と師匠。「いかに自分との距離をとるか、ひとつの物体として描けるかがチャレンジです」とも。

鏡の中に映る自分を見つめるのは気恥ずかしいもの。自分との距離を図りながら、自分であることを意識しすぎず、なるべくモチーフとして観察します。いつものペンではなく鉛筆を使って、線を引いては消し、引いては消しながら、形を探っていきました。正面から描くのは難しいと言われましたが、あえて自分と正面から向き合ってみようと思い、その代わり、真ん中ではなく少し横にずらして構図をとりました。

彩色は、リアルにしすぎず好きな色を塗ってみることに。私が普段よく使う色はイエロー、オレンジ、ピンクなどですが、どうしてもこの自画像のイメージには合わず、ブルー系で仕上げてみました。

selfportrait2011

スケッチ仲間からは、

・色調がいつもと違って新鮮、水彩のよさが出ている
・線画よりも色があったほうがよい作品、彩色があって完成している作品
・線が多くない、余分な線が少ないところがいい、線描は弱い感じもする
・構図を横にずらした狙いがよい
・都会的、洗練されたイメージ
・カシニョールの海のよう
・自分を遠くから見ている

・・・となかなかよい評価ではありますが、やっぱりほめられるのは線ではなく、色のこと。

師匠からは、

・ポートレイトの描き方として、主に、リアル、イラスト、ファンタジーの3つがある。この作品はファンタジー路線
・作品としてのレベルは高く、商品価値もある
・しかし、色に頼りすぎなきらいがある。色に頼るというのは、料理で例えるならば、盛り付けに凝るようなもの。本質ではない
・線描の段階のほうが、自分を見つめることへの葛藤や、理想と現実の矛盾といった内面が出ていた。彩色することで、そういった部分が削ぎ落とされている。トレーニングとしては、内面性をもっと追求したほうが、面白いし、次につながる

とさすがのするどい指摘。

確かに、線描の際は鏡とずっとにらめっこ。美化しすぎないように、でもあまりにも醜く描くのもためらわれ・・・。他人を描く時は、特徴をつかみさえすれば、あとは適当に美化してしまえばよいので、自画像より断然楽です。美化できないというのは、なかなかしんどい。これが自画像を描く最大の意義なのかもしれません。

しかし、彩色の段階では、鏡を見るのは影の位置を確認する程度。自分というよりも、一人の女性を描いているような気持ちで、色のことだけを考え、ひとつの作品として仕上げていった感じです。だから距離が生まれたと同時に、内面性は失われたのでしょう。線描の段階でコピーをとっておけばよかったなぁ。
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女性
自己紹介:
『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』に感銘し、こんな風に楽しく描いてみたい!とペンを取りました。以来、仕事の合間を縫って絵を描く日々を送っています。

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